草木染めの布は、洗うたびに色が落ちると思っている人が多い。確かに、最初の数回の洗濯では色が出ることがある。しかし、藍と柿渋を重ねて染めた布は、使い込むほどに色が「落ち着く」のであって、消えるのではない。その違いを理解すると、草木染めのものとの付き合い方が変わる。

藍染めの仕組み

藍染めは、タデアイという植物の葉を発酵させた「すくも」を水に溶かし、布を浸して酸化させることで色を定着させる。化学染料と異なり、繊維の表面に色素が付着する形になるため、洗濯によって少しずつ表面の色素が落ちる。しかし、繊維の奥に入り込んだ色素は残り、使い込むほどに表面と内部の色が均一になっていく。これが「色が落ち着く」という現象だ。

柿渋との重ね染めが深みを生む

田中朋子さんが使う「重ね染め」は、柿渋で下地を作ってから藍で染める手法だ。柿渋はタンニンを多く含み、繊維を引き締める効果がある。この下地があることで、藍の色素が繊維により深く入り込む。また、柿渋自体も時間とともに酸化して色が深まる性質があるため、藍と柿渋の両方が変化しながら、布全体の色が複雑になっていく。

お手入れの方法

草木染めのリネンブランケットは、中性洗剤を使った手洗いを勧める。洗濯機を使う場合は、手洗いコースで単独洗いにすること。乾燥は陰干しが基本で、直射日光は色の変化を早めるため避ける。最初の数回は色が出ることがあるため、白い布と一緒に洗わないこと。年に一度、専門のクリーニング店でのケアも選択肢のひとつだ。

変化を楽しむという視点

草木染めのものを長く使うには、変化を「劣化」ではなく「成長」として見る視点が必要だ。三年後、五年後の色は、買った日の色とは違う。しかしそれは、その布があなたの生活の中で時間を過ごした証でもある。田中さんは「十年後に見せてほしい」と言う。Hushed Bay Tideも、購入後のケア相談を無期限で受け付けている。

今シーズンの草木染めブランケットは4枚のみ。夏の掛け布団として、あるいはソファに掛けて使う一枚として、来店の際にご覧いただきたい。